Case Study

導入事例

大手インフラ建設・保守会社様 Power Platform導入事例

■ご支援の概要■
合同プロジェクトにおいて、約4,000人規模のユーザーを想定したアプリケーションをPower Platformにて開発
Power Platformによるアプリ開発の要件定義~テストを実施

【今回、お話を伺った方】
大手インフラ建設・保守会社 A社
DX推進部
全国規模で展開する合同プロジェクトのご担当者 様
建設プロセスのシステム化を進めるプロジェクトのマネジメントや、アーキテクチャー設計・システムの運用設計を担う。

全国規模で展開するプロジェクトにおいて、建設プロセス管理をメール・Excelで行っており、システム化されていない

全国規模で展開している合同プロジェクトにおいて、構造建築物の建設プロセス管理を行うゼネコンの立場のA社。発注先の工事会社は数百社あり、施工する工事は万単位にのぼっていました。
プロジェクトの建築プロセス管理はシステム化されておらず、担当者がメール・Excelでプロセス管理に関わる業務フローを動かす体制が取られていました。しかし、メール・Excelを用いた管理では、少なからず連絡漏れや情報の重複、データの入力ミスが発生してしまいます。A社はこの状況を鑑み、「これほど多くの取引先がいる大規模なプロジェクトの管理を、人手に頼った現在の体制で維持することは困難である」と判断するに至りました。
また、このプロジェクトはA社の中でも重要度が高く、競合他社に遅れをとるのが許されないことから、短期間での目標達成が求められていました。会社全体で力を入れてプロジェクトを進める方針が取られていたこともあり、プロセス管理を円滑に回すためのシステム化は急務だったのです。

Power Platformを使ったアプリケーション開発を選んだ理由

将来的に自分たちでメンテナンスができるシステムにしたい

A社がMicrosoft社のPower Platformによるアプリケーション開発を選んだ背景には、将来を見据え、システムに関わる業務を全て内製化したいという全社的な希望がありました。
アプリケーションをローコード開発できるPower Platformであれば、それほど高難度の開発スキルを求められることはありません。さらには、プログラミングの工程を削減できるため、開発期間の短縮も図れます。
メンテナンスも含めた全工程の内製化を視野に入れ、「Power Platformならば、自社で開発から維持管理まで行うための打ち手になる」とA社は判断したのでした。

Power Platformで開発したアプリケーション導入後の効果・成果を感じるポイント

コミュニケーションミスの解消&ビジネスのスピードアップ

新しいアプリケーションの導入でA社が大きく効果を感じられたポイントは、人為的なミスが目に見えて減りプロジェクトの業務を効率よく進められるようになったことです。

これまではExcelで行っていた進捗の共有がアプリケーション上で可能となり、Excelでの作業を不要にしたことで、情報の重複や入力ミスなどを削減。Excelファイルの破損に悩まされる事態も発生しなくなりました。さらには、メールでのやり取り自体も大幅に減り、重要メール等の見落としで起きていた対応遅延によるクレームの防止にもつながっています。関係者とのやり取りをシステム上で完結できるようになり、メール作成の手間と情報セキュリティ事故発生リスクも低減しました。
結果として、A社は各工事会社との連携がスムーズになり、より素早い意思疎通・意思決定ができるようになりました。これまでかかっていた全体的な業務時間を最大で約6割、平均で4割程度までカット。業務効率化によって生まれた余剰時間を使い、今までよりも多くの工事を手配できるようになっています。
加えて、業務要件の変更の際にも迅速かつ効率的にシステム改修ができるため、ビジネススピードが加速したことも、A社がPower Platformを利用したアプリケーション導入による業務改善効果を実感できた点でした。

アドバンスド・ソリューションに頼んでよかったと思うこと

幅広い要望にもMicrosoft社のサービスを連携させ、深い知見と確かなクオリティで対応してくれた

大規模プロジェクトだったこともあり、アプリケーションの開発に携わったアドバンスド・ソリューションにも多方面から様々な要望が投げかけられ、試行錯誤が重ねられました。
「アドバンスド・ソリューションさんの持つPower Platformへの深い知見が、品質の高いアプリケーションを開発するための大きな助けとなった」。A社からはそうした感想が寄せられています。
アドバンスド・ソリューションの持ち味は、Power Platformだけではなく、SharePointやAzureなど、提供サービスのカバー範囲が広いことです。そのため、Power Platformのみでは実現できない事案にワンストップで対応できたことも、本案件の進行にとってはプラスに働いたといえるでしょう。

今後の展望

基幹システムと連携し、自動化範囲を広げていきたい

プロジェクトの直近の工程におけるアドバンスド・ソリューションのミッションは、スケジュールに合わせて、工事に関わるプロセス管理の自動化システムを順次開発することです。
「ゆくゆくは今回Power Platformで開発するシステムと、基幹システムをはじめとした社内で稼働する他システムとの連携を実施したい」。目下のところ、A社はその実現を目指し、ヒューマンエラーを防止するべく、システム化とその連携で人ありきの業務を減らして、自動化範囲を広げていこうとしています。

Power Platformを用いた社内アプリケーションの開発は、どのような会社におすすめでしょうか?

中長期的にアプリケーション開発・メンテナンスを内製化したい企業

Power Platformは、専門知識を有したIT人材ではなくても、業務の自動化などを目的としたアプリケーションやシステムを効率的に構築できるツールです。
それゆえ、A社のように業務改善や生産性向上を図るためのDX化が進められており、アプリケーション開発・メンテナンスを将来的に内製化したいと考える企業には特におすすめです。
また、ある程度業務フローをアプリケーションやシステムに合わせられる柔軟性の高い組織・環境にもマッチしやすい開発手法であり、幅広い活用を望めるでしょう。

最後に

本件のように大規模開発となるとアプリケーション全体のアーキテクチャが重要となってきます。
データ保持、データ接続先、画面の遷移先など多岐に渡って検討事項があるのが現実です。
そのため、今回は開発までさせていただきその後はお客様で運用という形をとらせていただきました。
Power Platformでの開発方法や運用方法は様々ですのでお困り事がございましたらお気軽にご相談ください。
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■ご提供したサービス■

・Power Apps (モデル駆動型アプリ、キャンバスアプリ)
・Power Automate
・Azure Logic Apps
・Azure Functions
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